日本では時々「Futuraはナチスの書体」と考えている人がいるようです。
知り合いのデザイナーから聞かれる事もたまにありますし、出版物に書かれてある場合もあります。出版物で私の知るところでは朗文堂から出ている『書物と活字』のあとがきや『ふたりのチヒョルト』の中にこの説を裏付けるような文が書かれてあります。
例えば『ふたりのチヒョルト』の346ページには「フトゥーラ活字はナチの教育・宣伝に使われたためにその使用にはドイツではいまなおためらいがみられる」とあります。
以前別の記事にも書いたのですが、結論から言うと Futura は当時も今も人気の書体で、ヨーロッパでは広く一般的に使われています。現在私の住むドイツでも頻繁に見かけます。「Futura がナチスを思い出させる書体」という事実はありません。